営業部の扉をくぐり、自分のデスクに荷物を置く。 まだ就業時間前なのに、ぐったりとデスクに突っ伏した社員がちらほら見える。 いつもの光景だ。それこそ徹夜とか、深夜残業だって、安価でさせるのが、この会社だから。 「おはよう、富丘くん」 そんな空気を払拭する朗らかな挨拶。ドキリと胸が甘く鳴る。 「これ、部長から聞いてるよね? お願いします」 挨拶を返し振り向くと、同じ営業部所属の金里(かなざと)明日美(あすみ)に資料を手渡された。