緩やかな栗色のウェーブの髪が風に揺れる。シトラスの爽やかな香りがふたりを包む。 とても正攻法とはいえないけれど、ようやく手に入れた最愛の彼女。 かけがえのないこの時間が、何よりも愛おしく、胸が突き上げられる。 「ありがとう。それと……明日美」 「なに?」 「僕の“提案”に乗ってみて……後悔してない?」 問いかけると、彼女はパチクリと瞳を瞬かせて、少しだけ考える素振りを見せる。 これを聞くのは、はじめてだ。さすがに、少しだけ緊張する。