湯水のように溢れ出す、狂おしい恋情とずるい欲望。
声を聞きたいのに、そんな余裕もなく彼女の吐息を飲み込み舌を絡めてしまった。
切ない、苦しい、心が暴れる。身体が隠せないくらいに熱くなる。
「死ぬくらいなら、その命⋯⋯僕にちょうだい?」
「とみ、おかくん……」
勢いに任せて、全てをぶちまける。
「――入社してすぐの頃からずっと、君だけをが好きだった。要領よく仕事をこなすのに、私生活ではお人好し。クズ男に利用されてるのも知らず、人一倍尽くして。気付いたら、金里さんを守りたいと思うようになっていた」
「⋯⋯もしかしてそれって⋯⋯」
「もうずっと、僕は君しか見てないよ」



