「金里さんはいつも頑張りすぎだ。もっと周りを頼っていいんだよ。気付いてあげられなかった事が…苦しい」

だから、全部僕に委ねてくれないだろうか。

失うくらいなら、同期になんて戻れなくていい。

頬を滑り落ちた涙――。あの日の拭えなかったそれをすくい、

今日こそは迷わず涙に濡れた彼女の顔に、そっと顔を寄せた。

「とみお――」

戸惑いの続きは口付けで遮った。

初めて触れたそれは、思ってたよりも柔らかくて……

一気に僕の余裕は取り払われる。