「富丘くん……」 「どうしても死にたいって言うなら、僕の提案を聞いてからでも……遅くはないんじゃない?」 失うくらいなら、僕は嫌われてもいい。 ずるくてもいい。もう、絶対に離すものか。 そう決意して、彼女の手を掴む自らの手のひらに力を込める。 その瞬間、彼女の大きな瞳が揺れた。