【修正版】クールで無表情な同期が十年間恋情を患っていた理由


「富丘くん……」

「どうしても死にたいって言うなら、僕の提案を聞いてからでも……遅くはないんじゃない?」

失うくらいなら、僕は嫌われてもいい。

ずるくてもいい。もう、絶対に離すものか。

そう決意して、彼女の手を掴む自らの手のひらに力を込める。

その瞬間、彼女の大きな瞳が揺れた。