【修正版】クールで無表情な同期が十年間恋情を患っていた理由


「あの会社にいる意味が無くなったな……」

この際しつこいくらい声をかけてくる友人の元へ、転職してしまうか………

吐き出した煙を見送ってると、背後から、カタンと扉の開閉音がする。

屋上に誰かが入ってきたようだ。

なんだ……?

こんな薄気味悪いところへ、深夜に訪れようなんて思う人はいない。

誰だかわからないが、今は邪魔されたくないな。

つけたばかりのタバコを灰皿へ押し付け、部屋に戻ろうとしたそのとき、

その人物を見て驚いた。