【修正版】クールで無表情な同期が十年間恋情を患っていた理由

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そこは、街灯がいくつかあるだけの、暗くて小さな公園だった。

古びたブランコと滑り台。

その横にあるベンチに並んで腰をおろした。

自販機で飲み物をガコンと2本購入し、彼女に手渡す。

すると、ずっと黙りこくっていた彼女は、「ありがとう」とつぶやいて、大きなため息をひとつ。

それから、ようやく口を開いた。

「私さ、彼氏がいるんだ」

ずきり、と胸に走る痛みは知らないフリをした。

「……知ってる」