彼女のひどく動揺した様子を見れば、交際相手なのだと察しがついてしまう。 「気分……悪い?」 信号が変わり車を進める。涙に気づかないフリをして、そう聞く。きっと彼女は見られたら戸惑うから。 「あ、うん。そうだね……。何か酔いが回っちゃって」 「少し止まろうか」 視界の端で、頬を確認する素振りをしながら涙を拭く彼女。 僕は、その様子を肌で感じながら、近くの公園まで車を走らせた。