ん? なんだ? 「金里さん?どうかした?」 赤信号で車を停止させると同時に、 酔でも回ったのかと助手席に身体を向けると、 彼女の頬には涙が伝っていた。 彼女の目線の先を追ってみると、歩道には若い男女が腕を組んで仲良さげに歩いていた。 スポーツマン風のキャップを被った男。