お腹に宿った小さな命

「んーどうなんだろ?
先輩が同じ気持ちでいてくれたことはすごく嬉しかったけど
女の子たちも付き合いたいって思ってるから
先輩と付き合うと女の子たちから嫌がらせや陰口、罵声を浴びせられることを考えると、素直に喜べなかったかも」


「なるほどね
そうなってたのか、あの日、萌音にばったり会った元カレって人に感謝しないとなー
元カレに会わなかったらあの夜の事も無かっただろうし、でも1番は萌音のお腹に宿ってくれた小さな命に感謝しないとな
あの夜があったとしてもお腹の子が宿ってくれなかったら俺達は結婚もしてなかっただろうし」


「そうだね、この子には感謝しないと
私達を結んでくれたんだから」

お腹に手を当ててありがとうって心の中でお礼を言った

ポコッ

「あっ!」

「ん?どした?」

「今ね!動いたの!赤ちゃん」


「マジで!!」

涼介さんが私のところまで来て床に膝をつきお腹に手を当てる

シーって、口に手を当てて合図する

ポコッ


「おっ!動いた!」

「動いたよ!」

「すごいな!」

そう言った後私に背を向ける

「どうしたの?」


「いや、感動して」
そう言った涼介さんの声は震えていて

「ふふ」
涼介さんが可愛くて少し微笑んだ

「俺さ、今まで親になる自覚無かったんだ」

「うん」

「子供が出来た時から俺自身には子供ができたっていう実感を感じれることが無くて
こんなんで父親になれるのかなって
萌音は自分のお腹に宿った子供で
悪阻とか体の変化で実感できるでしょ?」