毎日栄養の点滴とほんの少しのゼリーとお粥
を食べて、あとはベットに横になっているだけ

だんだん不安になってきて涙が流れる

悪阻は日によって辛さが違う
ひどかったら栄養の点滴だけであとは何も口に出来ない、それでも吐き気は襲ってくる
何も出て来ないのにただただ吐き気に襲われてトイレに籠もる
マシな日は病院内をゆっくり散歩できるくらいにまでなる


「ごめんな」
私がトイレに篭ると必ず辛そうな顔して謝ってくれる

「辛いのに何もしてあげられなくて」

「ううん、そばにいてくれるだけで安心するよ」

「そっか…俺にできることがあったら言って何でもするから」

「ありがと」
力なく微笑むと涼介さんも微笑み返してくれる

どれだけ辛くてもただそばに居てくれるだけで安心する
それだけだすごく心が救われる

伸びて2ヶ月程入院になったけど
安定期に入り退院できる事になった

明日やっと退院して家に帰れるようになる

涼介さんも少しずつ会社に通うようになって

赤ちゃんも元気にすくすく育ってくれている
明日退院する前にエコーで赤ちゃんの様子を見ることになった
涼介さんは初めて見る

「明日…赤ちゃん見れるんだな」

「うん」

「なんか…すごい緊張するな」

「性別は来月になったら分かるって」

「おっマジか!どっちかなー?」

「どっちかな?楽しみだね」

「おう!」