「それは違うよ、掛石の弱った心に漬け込んで誘ったんだから
ホントの事言うと俺、掛石に出会った時からずっと好きだったんだ」

「えっ」

有栖川先輩からそんなこと言われると思っても見なかった
今までそんな素振り見せたことなかったから

「だから…あの夜、ずっと上の空だったから心配で跡追いかけたんだ
その後に掛石から元カレの話を聞いて辛そうにしているのを見てほっとけなくて、自分の物にしたいって思った、だからあの夜掛石を抱いた
最低な事したって分かってる、弱みに付け込んで卑怯なことしたから
掛石の気持ちも聞かず抱いたから終わったあと謝ったんだ、傷つけたかもって、本当はその後に告白するはずだった、でも掛石がこの事は無かったことにって、掛石は忘れたいんだって思ってそれなら掛石の思ったとおりにしようって」

「…そんな…私の勘違いだったなんて、
実は私も有栖川さんの事ずっと憧れていて
でもいつの間にか好きになっていたの
だからあの時、あの夜抱かれて幸せだった
でも有栖川さんが謝ってきたから、これは無かったことにってじゃないと困らせちゃうって思って…」

有栖川先輩が私の事好きだったなんて思ってもいなかった

「そっか…俺すげー嬉しいよ」
そう言って有栖川先輩は微笑んでくれた

その瞬間すごくホッとして涙が出てきた

「あっちょ、泣くな」

「ごめんなさい…嬉しくて」

「掛石、俺と結婚してくれるか?
それと子供も産んでくれるか?」

「はい…喜んで」
返事をしてからハグをした