えぇ…。
嫌よ…。
どうせろくなものでは無いわ。
「昨日のことは感謝しているわ…、でも、おかえしはちょっと…。」
「助けて貰ったらなにか返すのが常識じゃない?そんなに難しいこと強要しないから安心して。」
何が安心してよ!
今まで難しいことしか言ってこなかったじゃない!
私が心の中で毒ついてると、そんなことはお構い無しに
「音川さんの正体はもう諦める。でも、この旅行が終わったら1回俺と手合わせして」
は?
何を言ってるの?と思い水無月くんを見上げると顔は真剣だった。
どうして急に…。
今まで私の正体気になってたのに諦めるとか、急に手合わせしてとか…。
色々おかしいわ。
昨日あまりにも大変なことがあって水無月くんの頭でも壊れてしまったのかしら…
「あぁ、頭は壊れてないから。」
どうして?
私の考えてることが…当たってる…?
「……心読んだ…?」
「いや、顔に書いてある」
水無月くんはククッと笑った。
顔に書いてあることないのに…でも、心は読まれないようにしてる。
ほんとに顔に書いてあったのかしら…?
顔に書いた記憶なんてないんだけど…。
「で、どう?俺にご褒美ちょうだい。」
私はよく考えた上で了承した。
