~side弥生~
雨涙様に連れられて、テラスに出てきた。
周りには色とりどりのお花が綺麗に咲いている。
私たちは、この花園の真ん中に来た。
「どうぞ、座って」
私は、少し緊張しながらも椅子に腰掛けた。
「そんなに緊張しないで?」
雨涙様はふわりと笑った。
それにより、少し緊張が解けた。
その後すぐに飲み物が運ばれてきた。
それを雨涙様が雨涙様自身でティーカップに注いだ。
「どうぞ」
全ての動作が優雅で、とても綺麗だった。
「ありがとうございます。」
私も、貴族の嗜みはだいたい知っている。
小さい頃に教えられたから。
「それでは改めて。私は、水無月雨涙。よろしく。2人のときだけでいいから雨涙様なんて呼ばないでね。」
えっ?!それはちょっと…。
「えぇと…。改めまして私は、音川弥生です。じゃあ2人のときは雨涙さんでいいですか?」
雨涙様以外の呼び方は雨涙さんしか思い浮かばない。
「いいわよ。まぁ、お義母さんでもいいけどね。」
雨涙さんはクスリと笑った。
「あはは…」
私は、軽く流した。