「あぁ…楽にしてくれればいい。」
低くて威厳のある声とオーラを見ればどれだけすごい人なのか一瞬でわかる。
「いえ、そういう訳には…」
さすがにこれ以上は崩すことが出来ない。
たとえ水無月くん以外の人が私の正体を知っていたとしても、水無月くんは知らないのだから。
変なことをして、バレたくない…。
「父さん、母さん。聞きたいことがあるんだけど…」
なんだろう。聞きたいことって…
「父さん達って音川さんについて何か知ってることある?」
は?何聞いちゃってんの?
本人の前でそんなこと聞く?
水無月くん頭大丈夫かしら?
「なぜだ。」
「音川さんについて自分なりに調べてみたんですが、出てこないんですよ。それに、大量のパスワードがかけられてるんです。」
「愛斗!あなたなんてことしてるのよ!無神経極まりないわ。」
