奇跡を起こした12の月光





「あぁ…楽にしてくれればいい。」



低くて威厳のある声とオーラを見ればどれだけすごい人なのか一瞬でわかる。



「いえ、そういう訳には…」



さすがにこれ以上は崩すことが出来ない。



たとえ水無月くん以外の人が私の正体を知っていたとしても、水無月くんは知らないのだから。



変なことをして、バレたくない…。



「父さん、母さん。聞きたいことがあるんだけど…」



なんだろう。聞きたいことって…



「父さん達って音川さんについて何か知ってることある?」



は?何聞いちゃってんの?



本人の前でそんなこと聞く?



水無月くん頭大丈夫かしら?



「なぜだ。」



「音川さんについて自分なりに調べてみたんですが、出てこないんですよ。それに、大量のパスワードがかけられてるんです。」



「愛斗!あなたなんてことしてるのよ!無神経極まりないわ。」