奇跡を起こした12の月光




水無月くんについて行って少したったあと、ある部屋の前についた。



ここはきっと水無月くんの御両親の部屋だろう。



警備がすごい徹底されている。



トントンと、扉をノックすると男の人の声が聞こえた。



「誰だ。」



「愛斗です。」



「入れ。」



「失礼します。」



ほら、音川さん。そう言って、私の腕を引っ張って、部屋に入っていった。



私は、内心ドキドキしていた。



もし、桜が間に合わなかったら…そう思うと、胃がキリキリした。



「ようこそ、水無月家へ。音川 弥生さん。」



わぁ…すっごいかっこいい人。



水無月家の御当主つまり、水無月くんのお父さんだ。



「お招きいただきありがとうございます。水無月 静空(シズク)様」



一応貴族用語で話した。



桜間に合ったのかしら。



「ようこそ弥生さん。私は愛斗の母親の水無月 雨涙(アメナ)よ。あなたに会えて嬉しいわ。」



すごく綺麗だわ。



さすが水無月くんのご両親ね。



「こちらこそお会いできて光栄です。雨涙様。」



「そんなに改まらないで?ねぇ、静空」



これまでの2人の様子を見てると、何とか桜が間に合ったようだ。



はぁ…良かった。