水無月くんについて行って少したったあと、ある部屋の前についた。
ここはきっと水無月くんの御両親の部屋だろう。
警備がすごい徹底されている。
トントンと、扉をノックすると男の人の声が聞こえた。
「誰だ。」
「愛斗です。」
「入れ。」
「失礼します。」
ほら、音川さん。そう言って、私の腕を引っ張って、部屋に入っていった。
私は、内心ドキドキしていた。
もし、桜が間に合わなかったら…そう思うと、胃がキリキリした。
「ようこそ、水無月家へ。音川 弥生さん。」
わぁ…すっごいかっこいい人。
水無月家の御当主つまり、水無月くんのお父さんだ。
「お招きいただきありがとうございます。水無月 静空(シズク)様」
一応貴族用語で話した。
桜間に合ったのかしら。
「ようこそ弥生さん。私は愛斗の母親の水無月 雨涙(アメナ)よ。あなたに会えて嬉しいわ。」
すごく綺麗だわ。
さすが水無月くんのご両親ね。
「こちらこそお会いできて光栄です。雨涙様。」
「そんなに改まらないで?ねぇ、静空」
これまでの2人の様子を見てると、何とか桜が間に合ったようだ。
はぁ…良かった。
