奇跡を起こした12の月光




「そんな怖い顔しないでよ。可愛い顔が台無しだよ?それに、ちゃんとした理由があるよ。音川さんに来て欲しい理由。」



最初からそれを応えてよ。



どんだけ、伸ばすのよ。



「なによ。」



「俺の親に、音川さんを紹介するため」



はぁ?紹介するって…ただのパートナーだよ?



確かにこれから色々危険なこととかあるかもだけど…。



パートナーは、確かに言っといた方がいいかもだけど…。



それなら、水無月くんが言葉だけで伝えればいい事じゃないの?



それに、理由あんまり変わってないし…。



「紹介なんかしなくてもいいんじゃないの?水無月くんが言葉だけで伝えればいいでしょう?」



「それがさ〜、親に言葉だけで伝えたんだけど、連れて来いって言われたんだよね〜。それに、これば俺が何者か、わかると思うけど?」



うわぁ…。親にね〜…。



でも、水無月くんが何者かわかるのか…。



いや、でも、まだ愁雨に聞いて答え帰って来てないから…。



愁雨にもういいって言いたくない。



そんなことを考えてると、桜が帰ってきた。



もちろん、水無月くんには見えてないし、分からないけど。



『弥生、愁雨から連絡があった‪わ。水無月愛斗について調べてくれたみたい。』



『ほんと?なんて言ってたの?』



『水無月愛斗は、────。』



…?!嘘でしょう?!



全部わかった。



お母様が私にあんなこと言ったのも、水無月くんが、自分のこと知らない人はいないって言ったのも。



全部納得がいくわ。