奇跡を起こした12の月光




まず初めに起きてきたのは以外にも水無月くんだった。



昨日の今日で、しかも今は2人きり…



なんてついてないの…私。



「おはよう、音川さん。」



朝から爽やかな笑顔ですこと。



ほんと、疲れないのかしら?



そんなことして。



私は無視して、ご飯作りを再開した。



「………へ〜…無視するんだ…」



ぼそっとなにか聞こえた気がする。



それに空気も少し変わったような…



でも、私には関係ないし…



「ねえ、音川さん。」



なんか耳元で声が聞こえた気がした。



さすがにこれは私も無視し続けることは出来ない。



「何よ…それより私から離れて。」



別に、水無月くんの声に反応した訳では無い。



距離が近いから、反応してあげたのだ。



「やっと返事してくれた」



まだ近くにいる。



私の言葉理解してる?



離れてって言ったんだよ?



「ねえ、離れてよ。私の言葉聞こえなかった?」



「聞こえたよ?」



ならなんで?!



「だって、この方が誰かに聞かれずに済むし。」



誰かに聞かれたらダメなの?



尚更わかんないんだけど…。