私は全部話した。
ペア決めで、水無月愛斗くんとペアになったことから、いまさっきの水無月くんとの会話まで、包み隠さずに全て話した。
「──ということなのです。」
「で?弥生は、私たちに何をして欲しいの?」
さすがお母様、私の事分かってる。
「水無月愛斗について何か知りませんか?愁雨(シュウ)に調べてもらう前にお父様達に聞いてみようと思いまして。」
愁雨は、私のとても優秀な執事だ。
愁雨に調べてもらえば、なんでも分かると言っても過言ではないわ。
だけど、まずは自分でできることをやりたい。
そんななか、お父様達に聞くということが思い浮かんだ。
「だってよ?あなた。」
「ああ。水無月愛斗だな?そいつのことは私もあまりわからん。だが、これだけは言える。あいつは、危険な男だ。」
危険…?まぁ、それはだいたいわかっていたわ。
水無月くんは、どこか掴めない。
