奇跡を起こした12の月光




「でもさ〜…あんな曖昧な返事だと余計気になるのが俺なんだよね〜」



だって、誰でもそうでしょ?



あんな曖昧な返事されたら、気になるに決まってる。



それが前から気になっていた人なら余計ね。



「んな事知らないわよ。」



あーもう!早く答えてくれないかなぁ。



ここまで手がかかるとは思いもしなかった。



「早く答えてくれない?音川さんが答えるまで、ここから動かないから。」



「答えたら、ここから去ってくれる?」



やっと答えてくれる気になったかぁ〜



長かった。



「もちろん!それが約束だからね。」



約束は守る。



「ただ、ちょっと家に帰ろうとしただけよ。それでいい?」



彼女の目を見ると嘘はついてないみたいだった。



「ふーん…ならどうしてあの時曖昧な返事したの?」



「めんどくさかったからよ。」



めんどくさい…ねぇ…。



「ふーん…まぁ、今回はそれでいいや。」



何がそれでいいのよ。



「もう答えたでしょう。早くここから去ってくれない?」



何言ってんの?



逃がすわけないじゃん!


ほんとに聞きたい質問はそれじゃない。



「だ〜め!まだひとつ答えてないでしょ?あんたは何者?」