奇跡を起こした12の月光




俺が本性を見せれば、相手は必ず驚くから、その隙をつこうと思った。



だが、音川には通用しなかった。



気づいていたみたいだ。



最初から…。



逆に、ウザったいとでも言うような表情をしていた。



普段、ポーカーフェイスなやつがねぇ…。



いつものポーカーフェイスが崩れている。



だから少し揶揄ってみてから、質問の答えを迫った。



「いいねぇその顔。音川さんのそんな顔初めて見た。で?俺の質問に答える気はないの?」



「あるわけないでしょう」



相変わらず気のつえー女。



「俺たちパートナーだよね?隠し事はなしじゃない?」



「そんなこと誰が決めたのよ」



「ん〜?俺だけど?」



俺は、もう裏が全開だった。



「ねぇ、早くここから去ってくれない?それにさっき言ったよね?私には今日用事があるって。」



おー…なかなか酷いこと言うね。



「うん、言ってたね〜」



俺は適当に返した。