俺が本性を見せれば、相手は必ず驚くから、その隙をつこうと思った。
だが、音川には通用しなかった。
気づいていたみたいだ。
最初から…。
逆に、ウザったいとでも言うような表情をしていた。
普段、ポーカーフェイスなやつがねぇ…。
いつものポーカーフェイスが崩れている。
だから少し揶揄ってみてから、質問の答えを迫った。
「いいねぇその顔。音川さんのそんな顔初めて見た。で?俺の質問に答える気はないの?」
「あるわけないでしょう」
相変わらず気のつえー女。
「俺たちパートナーだよね?隠し事はなしじゃない?」
「そんなこと誰が決めたのよ」
「ん〜?俺だけど?」
俺は、もう裏が全開だった。
「ねぇ、早くここから去ってくれない?それにさっき言ったよね?私には今日用事があるって。」
おー…なかなか酷いこと言うね。
「うん、言ってたね〜」
俺は適当に返した。
