奇跡を起こした12の月光




あの日、あいつが学園に行かないと言った。



それも理由は曖昧に答えた。



だから色々とチャンスだと思った。



直接聞けないとしても、あいつの用事とやらでなにか掴めるかもと思ったからだ。



俺は学園に行くと嘘をついて、1回寮を出たものの、すぐに引き返した。



気配も消して、魔力も気づかれないように抑えた。



だがあいつは気づいていた。



俺が来ることを予想していたかのように、グットタイミングで、俺の前に姿を現した。



俺は予定を変更して、ド直球に尋ねることにした。



「あんた何者?そして、いまさっきまでどこに行こうとしてたの?」



本命は前者、後者はついで。



「あなたには関係なくて?」



へ〜、いい度胸してんな。



「へ〜、俺に逆らうんだぁ?」



俺は、音川に、本性を見せた。



普段は、爽やか男子を演じている。



脅したつもりだった。