さっきから、私の方が照れてる気がする。
そう思った私は、愛斗の手を引っ張って、彼の耳に囁いた。
「ありがとう。これからもよろしくね。愛斗。」
そして、最後に私から彼の頬にキスをした。
瞬く間に彼の顔が赤くなる。
私は得意顔で彼をみる。
すると、彼は見んなと言わんばかりに私の目を手でおおってきた。
───好きだよ。弥生。
愛斗の優しい声が聞こえた。
大切な人の声が。
──────
───
「あ〜!やっと帰ってきた〜!」
「お?!その手は?ついに?!」
あの後、みんなの元へ帰ってきた私たち。
もちろん、質問攻めだった。
どこ行ってたの?とか、
その手は?!とか、
長月ちゃんに至っては、弥生が愛斗くんについに取られた…とか、訳の分からないことを言っていた。
質問攻めは、確かに疲れたけれど、それよりも、私は幸せだった。