何より、楽しそうな愛斗の顔が何よりの証拠だ。
「愛斗のバカ」
「なぁに?弥生ちゃん。そんなに俺にキスされたいの?生意気なその口塞いであげる。」
そういうと、再びキスをしてくる愛斗。
今度は、さっきよりも長い。
息が続かなくなって、愛斗の胸をドンドン叩くと、やっと離れてくれた。
酸素がやっと入ってきてくれて、ほっと一息。
私は、愛斗から顔を背けた。
「あれ?弥生怒った?」
あえて聞かぬふりをして、中庭を出ていこうとする。
「あっ、ちょっとまって!ごめんって!やりすぎた。」
愛斗は私の前に出てきて、頭を下げた。
「…ホントだよ。次やったら、婚約解消だからね!」
私は、ぷいっと斜め上に顔を背けた。
「はい、ごめんなさい。」
「しょうがないから、今回は許してあげる。」
私は、そういうと、愛斗の隣に行って、彼の手を取った。
「早く行くよ。」
私は彼の手を引っ張って校舎へと歩いていった。
すると、愛斗は嬉しそうな顔をした。
「手は、こうな。」
そう言って、変わった繋ぎ方。
いわゆる恋人繋ぎだ。
