この気持ちはなんて言うのだろう。
“自分の気持ちを伝えるのよ?”
ふと桜の声が脳内に響くように聞こえた。
そうだ、自分の気持ちを伝えるのよ。
分からないからって逃げてはダメ。
きっと私の中での答えは出てるんだ。
それを伝えるのが怖くて、今の関係のままでいたいとすがってしまう。
でも、今愛斗は、勇気をだして告白してくれた。
私は愛斗のことが───
「私も愛斗のこと好き。葉月達とはまた違う好き。」
そう言った瞬間、目の前が真っ暗になった。
それと同時に香る柑橘系の匂い…
愛斗に抱きしめられていると気付くのに時間はかからなかった。
私はそっと愛斗の背中に手を添えた。
「今以上に夢中にさせるから、これからも俺と一緒にいてくれますか?」
彼のこの言葉は、告白にもプロポーズにも取れる言葉だった。
