奇跡を起こした12の月光




この気持ちはなんて言うのだろう。



“自分の気持ちを伝えるのよ?”



ふと桜の声が脳内に響くように聞こえた。



そうだ、自分の気持ちを伝えるのよ。



分からないからって逃げてはダメ。



きっと私の中での答えは出てるんだ。



それを伝えるのが怖くて、今の関係のままでいたいとすがってしまう。



でも、今愛斗は、勇気をだして告白してくれた。



私は愛斗のことが───



「私も愛斗のこと好き。葉月達とはまた違う好き。」



そう言った瞬間、目の前が真っ暗になった。



それと同時に香る柑橘系の匂い…



愛斗に抱きしめられていると気付くのに時間はかからなかった。



私はそっと愛斗の背中に手を添えた。



「今以上に夢中にさせるから、これからも俺と一緒にいてくれますか?」



彼のこの言葉は、告白にもプロポーズにも取れる言葉だった。