「葉月ちゃんあんな顔もするんだね〜!可愛い〜!!」
睦月先輩は、目をキラキラさせて葉月に抱きついた。
葉月は、一瞬驚いたあと、照れたように頬を真っ赤に染めた。
さっきまでの自分の言動に照れているのだろう。
みんなの知らなかったこと知れると少し嬉しく感じる。
『弥生、いい仲間を見つけれたわね。良かったわ。やっぱり、弥生は笑顔の方が可愛いよ。』
私の肩に乗っていた桜は、甘えるように私の頬に頭を擦り寄せた。
「えぇ、本当に。この学園に来て良かったわ。」
私は、心の中で感謝の言葉を述べる。
みんなのおかげで、たくさんのことを学べたわ。
そんなことを考えていたら、愛斗が隣に座った。
「…俺の事、忘れるなよ?この後中庭な」
愛斗は、コソッと私に耳打ちすると、部屋を出ていった。
一瞬愛斗の言葉が理解できなかった。
…あっ!
そう言えば、愛斗に話があるって言われていたんだ!!
急に鼓動が早くなった。
演劇では、緊張なんてしなかったのに…
どうしましょう…
愛斗はもう出ていったからこのまま待たせるのもダメだよね。
「ちょっと行ってきてもいいかしら、桜。」
『もちろん!行ってきなさい。ちゃんと、自分の気持ち伝えるのよ?』