「…ドキドキする〜……!!」
いよいよあと5分で私たちSクラスの演劇が始まる。
皐月はさっきからずっとソワソワしている。
「そんなに緊張しても仕方ないでしょ?それに、いつも行ってるパーティーだと思えば気が楽よ?」
葉月がそう宥めるが、そう簡単に緊張はほぐれないのだろう。
「弥生達はなんでそんなに緊張しないの〜?!」
なんでと言われましても…
「ほらほら、そんなに緊張しない!もう始まるわよ。」
長月ちゃんがそう言ったかと思うと、場内にブザーがなった。
開始の合図だ。
今まで練習してきたことを信じて、やりきろう。
「暦月魔法学園大学部Sクラスの演劇、シンデレラのスタートです!」
パチパチパチ──────
「むかしむかし、あるところにシンデレラという名の美しく優しい娘がいました───」