奇跡を起こした12の月光




雪人、楽しんでるわね…



皐月と雪人を除く4人は顔を見合わせると、苦笑した。



「ま、まぁいいんじゃないの?皐月、運んでもらいなよ。少し距離あるし!」



「え?ちょっと葉月?!何言ってるの!それに、雪人ももう大丈夫だから!ありがとう!!」



葉月の言葉にしっかり反応して、皐月がそういうと、少し残念そうに雪人は彼女をゆっくりと下ろした。




「返しに行こっか!」



無事に下ろして貰えた皐月は逃げるようにそういうと、早歩きで歩き始めた。



そんな姿に内心癒されながらも、皐月を追いかけた。






「ありがとうございました〜」



元の服に着替えた私たちは、店員さんにぺこりと挨拶をすると、待っていてくれた愛斗たちの元へ戻った。



「学園祭もあと少しで終わるし、明日の最後にはついに劇か〜。あだという間に終わりそうだな」



龍のそのつぶやきにみんなが頷く。



「明日に備えてもう帰ろっか!今夜のごはんはなーに?」



葉月は料理担当の私と愛斗を見て聞いた。



「「秘密」」