……あれ?
なんか、違和感…
いつもだったらもっとめんどくさいくらい絡んでくるのに…
…て、これじゃあ私が愛斗に気にしてもらいたいみたいじゃない…!?
行けない行けない
私は、そんな考えを振り払うように頭を左右に振った。
……よし!
やっと落ち着いたところで、私も葉月たちの方へと向かった。
駆け寄ると葉月は、もう大丈夫みたい…
でも、皐月はまだ雪人に抱きついたままだった。
「皐月、歩けそう?」
未だに床に座り込んでいる皐月を見て、私は言った。
それもそうだ。
いつもそばに雪人がいるから今回みたいに絡まれることはなかったはず…
きっとすごく怖かったと思う。
「皐月、ちょっとごめんね。」
そう雪人は言うと、皐月の背中と膝裏に手を添えて軽々とお姫様抱っこした。
「…!?雪人?!お、下ろして!」
皐月は真っ赤な顔でそういうと、顔に手を当てた。
「だって、皐月歩けないでしょ?」
「あ、歩けるから!下ろして〜…恥ずかしい…」
雪人はそんな皐月を見てクスッと笑った。
