奇跡を起こした12の月光




「おい、おめぇら誰に手ぇ出してんだよ。」



「ほんとに、困るんだよね〜。勝手に僕の彼女に手を出さないでくれるかな?」



「俺の弥生に手を出すな」



…?!



後ろからよく知った3人の声が聞こえた。



「龍!」「雪、人…!」「愛斗」



「あ?なんだてめぇら、この子達は俺らが見つけたんだ、横から入ってくんなよ!」



私を掴んでいた男は愛斗達に向けて魔法を放った。



飛んできた火の玉を水で一瞬にして消す愛斗。



「離せって声聞こえなかったか?」



愛斗が氷のように冷たい目線で男に言った。



男たちは敵わないと分かったのか舌打ちをして、去っていった。



男の手が離れた皐月は床に座り込んだ。



そんな彼女に雪人が駆け寄っていった。



同じように龍も葉月に駆け寄り心配していた。



「大丈夫か?」



そんな二組を見ていると愛斗が私の顔をのぞきこんできた。



「えぇ。」



…?! 近い…!



私は、愛斗の顔があまりにも近いことに気づき急いで距離をとった。



愛斗は私の行動にクスッと笑い、そのまま龍達の方へ行ってしまった。