むぅと頬を膨らませ、拗ねると愛斗に潰された。
「クククッ…タコみたい」
私の頬を片手で潰しながら愛斗は笑う。
「わりゃわにゃいで!あと、はにゃしてよ」
上手く発音できない口を何とか動かして愛斗に言う。
愛斗は素直に手を離してくれた。
「で?どうしてなのよ?」
私は潰されて少し赤くなった頬を擦りながら聞く。
「どうしてって、弥生に話したいことがあるから」
さも、当然でしょ?
とでも言うように彼はニコリと笑う。
ついでに、もちろんいいよね?という顔をする。
「はぁ、空いてるからいいわよ。」
渋々ながら私はそう言った。
なんの話しなんだろうな…
「あっ、愛斗くん〜!弥生ちゃん〜!もう、片付けしたら帰っていーよー!」
新さんの言葉に私は考えるのをやめて、はーいと返事をして、片付けを始めた。
なんの話なのかは明後日わかるだろうし!
今は、片付けをしないと…
私は、魔法で掃除を始めたのだった。
明日ある文化祭の楽しみと、明後日の演劇の不安と後夜祭の約束への謎の気持ちを抱えながら…
