学校が終われば誰よりも早く来て、心配をしてくれる。
少し部屋を出ようとしても、必ずどこに行くのか聞いてきた。
私を思ってのことだろうけど、少しめんどくさかった。
退院の日なんかは、学校すら休んで私の方に来て、寮の部屋まで送ってくれた。
桜がいるから大丈夫とは言っても、俺も行くって聞かない。
窮屈極まりないわ。
学校では、何かと付きまとってくる。
ここまで来ればもう、ストーカーも同然よ。
婚約者じゃなかったら捕まってたわよ。
そんなことを思いつつ、そこまで嫌ではない私がいる。
なぜなのかしら…?
「弥生、後夜祭の時間空いてる?」
そんなことを考えていたら、愛斗がふと聞いてきた。
はい…?
私たちの学校は、1日目に教室展示、2日目に舞台発表と、2日間ある。
2日目の最後の大トリがSクラスの発表である。
そして、後夜祭は最終日(2日目)全て終わったあとに開催される。
「空いてるけど…」
なんで急に聞いてきたんだろう…
「なんでって顔してるね」
クスッと笑いながら愛斗は言う。
なによ、笑わなくてもいいじゃない!
