奇跡を起こした12の月光




「……心配、かけて、ごめん、ね…?もう、大丈夫だよ。」



私は動かない腕の代わりに桜に頬ずりをした。



すると、病室の扉がガラリと開く。



驚いて、見るとそこには私の家族と、医師、看護師が駆けつけていた。



私と桜が話している間に、新さんが呼んでくれたようだ。



「春花様。目を覚まされて良かったです。どこか、不調なところなどございますか?」



医師は、丁寧にそう訪ねてきた。



私は、首を緩く横に振って返事をした。



「良かったです。それでは、少し診察させていただきますね。」



そういうと、サッと診察をした医師。



「特に以上はありませんね。しかし、しばらくは上手く体を動かせないでしょう。3年間という時間眠っておられたので、スムーズに動かせるのに最低でも数ヶ月はかかると思います。数日間は安静にしていてください。では、失礼しますね。」



そういうと、医師達は部屋を出ていった。