奇跡を起こした12の月光




私は、静かにゆっくりを目を開けた。




目の前には白い天井があり、薬品のような匂いがした。



ここは、、病院…?



私は目線だけを動かして、辺りを見渡す。



「……な」



そこには懐かしい顔の人達がいた。



私の口の酸素マスクによりくぐもった声を拾ったのか、私の大切な人が私の元へやってきた。



「…やよ、い?わかるか?」



彼は驚きつつ、そういった。



そんな彼の言葉にみんなが私を見た。



「弥生…」



「やよ、いちゃん、、だ〜」



彼女達ふたりは私をふわりと抱きしめた。



2人のすすり泣く声が聞こえる。



それを聞いて、私まで涙がこぼれてきた。



2人のように抱きつきはせずとも、他のみんなも嬉しそうに、私の方を見ていた。



「…み、んな…。」



『弥生!!もう!心配したんだからね!うっ……目が覚めてほんとに良かった〜!!』



走りよってくる桜を葉月と皐月は、素早く避けた。



そのタイミングで桜は私の首元に勢いよく飛び込んできた。



ふわりとした毛並みが私に触れる。



少しくすぐったいけれど、今はそれがとても心地よかった。