帰る頃には葉月達が涙目になっていることがよくある。
みんな、それほど弥生のことが心配で、弥生がいないと寂しい。
そんなふうに思ってる。
「今日も、まだ目を覚まさないのかな…」
弥生に会いに来て、はや1時間が経とうとしている。
大学は基本自己責任で、休みや早退をしても何も言われない。
成績さえ良ければ、単位さえしっかり取っていれば何も言われない。
もし落としても、それは自分が悪いという解釈だ。
だから、毎日のようにお昼前には全ての講義を終わらせて、こうして弥生の所へ通っている。
「早く、弥生ちゃんの声が聞きたいよ…」
皐月の悲痛なその叫びは、病室内にいる人たちの涙を誘った。
