※・※
「弥生ちゃ〜ん!来たわよー!」
返事のない病室に皐月の声が響く。
皐月はそのまま弥生のそばまで歩いていった。
それに続くようにぞろぞろと他の皆も入っていく。
個室で、しかも広いから俺たち全員入っても余裕がある。
「あのね、弥生。学園祭の出し物シンデレラに決まったんだよ?高校の時できなかったから、そのまま何も変えずにやることにしたのよ。」
葉月が弥生に向かってそう語りかける。
その話に乗るようにして、皆も話し始める。
“今日は○○があったんだよ。”
とか
“○○をやったよ”
とか
“雪人にまたお菓子奪われたの!!”
とか…
最後には決まってこういう。
“弥生早く目を覚まして。弥生が目を覚ましてくれないと、みんな寂しいよ…”
と。