「その顔だと、みんな同じ意見かな?」
新先輩は優しい笑みを浮かべながらそう言った。
「まぁ、でも一応同時にみんなで言ってみよっか!」
「じゃあ行くよ?せーのっ!」
俺たち全員は新先輩の掛け声にピッタリと揃って答えた。
「「「「「シンデレラ!」」」」」
あの日出来なかった物語の名前を。
見事に揃った声にみんなが笑いだした。
「満場一致ね!役とかも決めていたままでいいかしら?」
その言葉に俺たちは頷く。
「よし、決まったね。それじゃあさっさと出して、弥生ちゃんに会いに行こっか!」
そういうと、新先輩と長月先輩は魔法で一瞬にして先生に私に行ってしまった。
2人の姿が見えなくなると、それぞれ帰る支度を始めた。
あれから3年経った今もまだ目を覚まさない彼女に会いに行くために。