弥生のパートナーである桜が言う言葉にはとても説得力があった。
『弥生の目が覚めた時、聞いてみて』
桜はそれだけ言うと、目を閉じ眠ってしまった。
目を覚ましたばかりで、まだ体力が戻ってないのだろう。
俺は、桜に言われたさっきの言葉を思い出した。
こんな何も出来なかった俺に、弥生は本当に怒ってないのだろうか。
そんなことを悶々と考えていた。
「愛斗くん。私からも言わせてもらうけれど、どうか弥生を信じてあげて欲しい。これは、弥生の父親として君に伝えるよ。」
李桃様は、俺の目を見て真剣に言ったあと、にこりと暖かい笑顔を向けて下さった。
弥生を、信じる…か。
弥生が起きてから、聞くまでは疑うかもしれないけれど、弥生の両親とパートナーから言われれば、信じないことなどない。
「はい。」
俺は、李桃様と目を合わせ、しっかりと返事をした。
弥生が、いつ目を覚ますのか分からない。
でも、弥生を信じて待っていよう。
たとえ、何十年もあとだとしても───