奇跡を起こした12の月光




まず初めに愛達がいる病室へと向かった。



今までは、それぞれのパートナーの部屋で一緒にいたが、退院したので、広いペット専用の一部屋に11匹のペット達がそれぞれ入院している。



桜は弥生と一緒だ。



「愛…。目を覚ましてくれ…」



俺は、愛を撫でながら毎日かけている言葉を今日もかけた。




──────ピクッ



「…え。愛…?」



一瞬だったが、愛が少し動いた気がした。



思わず俺は愛の顔を覗いてみる。



すると、ゆっくりとだが愛の目が開いた。



「愛…!愛!」



『……あ、ぃと。』



そこへ、様子を見に来た看護師が来た。



「水無月様、どうかなさいましたか?」



彼女は丁寧に俺に話しかける。



「愛が、目を覚ましたんだ。」



彼女は、目を見開いて、急いで俺たちの方に来た。



「愛くん、分かりますか?」



その声に愛はしっぽで反応した。



それを見た看護師は、ほかのペット達も次々に見て回った。



すると、急いで病室の外へとかけて行った。