奇跡を起こした12の月光




「あぁ…ぁッと……」



どうやって伝えようか…



いや、そもそも伝えるべきなのか…



「どうしたんですか?静空。」



雨涙と、愛斗は顔を見合わせてじーっと私を見つめてくる。



「あっ、そういえば父さん。俺以外の人達って目が覚めたんですか?」



今まさに悶々と考えていたことを愛斗に言われ、私は動揺が隠せなかった。



「……まさか、起きたのは俺だけですか?」



「いや、他の人たちも目が覚めたよ。ただ…」



「ただ、なんですか?何か有るんですか?!」




珍しく愛斗が声を荒らげた。



そんな愛斗に驚くと同時に、父親として、1人の人間として、伝える決心がついた。



「あぁ、ただ……それぞれのペット達と…彼女、弥生さんはまだ目が覚めていないんだ。」