奇跡を起こした12の月光




「そっ、か」



愛斗は少し悲しそうな顔をした。



「ちょっと、外見てくるな。」



私は、息子の悲しい顔を見て、どうしたらいいのか分からなくなったことと、外が騒がしいので、逃げるように去った。






外に出た私は、近くにいた看護師に、少し話を聞いた。



「どうかしましたか?」



そう訪ねると、彼女は慌ただしく言った。



「あぁ、水無月様。うるさかったですよね、申し訳ございません。実は次々と目を覚まされたのです。それぞれのペット達と…“春花様を除いて”。」



それだけを言うと彼女はかけて行った。



春花様って……



あの彼女だよな…



「これは、愛斗に伝えなくてはな…」



俺は急いで愛斗のいる病室へと戻った。



「……父さん、おかえりなさい。そんなに急いで、何かあったんですか?」