「そっ、か」
愛斗は少し悲しそうな顔をした。
「ちょっと、外見てくるな。」
私は、息子の悲しい顔を見て、どうしたらいいのか分からなくなったことと、外が騒がしいので、逃げるように去った。
外に出た私は、近くにいた看護師に、少し話を聞いた。
「どうかしましたか?」
そう訪ねると、彼女は慌ただしく言った。
「あぁ、水無月様。うるさかったですよね、申し訳ございません。実は次々と目を覚まされたのです。それぞれのペット達と…“春花様を除いて”。」
それだけを言うと彼女はかけて行った。
春花様って……
あの彼女だよな…
「これは、愛斗に伝えなくてはな…」
俺は急いで愛斗のいる病室へと戻った。
「……父さん、おかえりなさい。そんなに急いで、何かあったんですか?」
