奇跡を起こした12の月光



※・※



はぁ…もう勘弁してよ〜…泣



名前で呼ぶとか、何よそれ。



学校の子を名前で呼んだことなんか1回もないわよ。



そもそもそんなに深く関わってないんだけど…



あーもう!あの人たちと一緒にいると調子狂う…



それに桜!どうして私を見捨てたのよ!



あのときたすけてくれてもよかったじゃない!



「桜!出てきなさい!」



『なぁに?やよ…ぃ……ヒッ』



「桜さん?なぜあの時私を見捨てたの?助けてくれても良かったじゃない!」



桜は、何も答えずに自分の部屋へ戻って行った。



さーくーらー!!



もう!桜ったら!



もういいわ…すぎたことよ。



今更どうこう言っても過去は変えられないし…!



「桜、もう怒ってないからおいで。」



桜がチラッと顔をのぞかせた。



それで私がほんとに怒ってないとわかったのか、私の肩に乗ってきた。



『うぅ…弥生怖かったよ〜……。』



ふふっ…相当きいたみたい。



私は桜を撫でてあげた。