※・※



~静空side~



暗い霧に囲まれながら、目の前の大きな魔物と戦っていると、いきなり大きな光が視界を奪った。



「なんだ、何が起こったんだ?」



私と、雨涙は反射的に目を瞑った。



しばらくして、光が収まると、さっきまで戦っていた魔物は消え、周りにあった穴も全て消えていた。



だが、以前とあたりは暗い霧に覆われたままだ。



今すぐにでも、原因を探るべく、移動したかったなだが、雨涙や周りにいるうちの従者たちを危険に晒す訳にも行かず、みんなで集まり、その場に留まっていた。



「ねぇ、静空。これ、きっと愛斗達が言っていたことじゃないかしら?」



そうだな。



それならば納得が行く。



あの光は完璧に光魔法だ。



愛斗は、水魔法のため、他の属性は本来ならば使えない。



「あぁ、そうだろう。」



私は、雨涙にできるだけ落ち着いて反応した。



愛斗が言うには、あの魔法は命を落とすかもしれないと言っていた。



雨涙はそれを知っているため、取り乱さないように、私だけでも落ち着いて話すようにした。



「愛斗が、心配だわ。それに、他のみんなも。」



雨涙がそう言った時、さっきとは比べ物にならないほどの光が再び視界を奪った。