奇跡を起こした12の月光




5000年に1度おこるというこの大災厄。



今回で永遠の終わりにしよう。



もう誰も傷つかぬよう。



誰も悲しまなくてもいいように。



私は消えゆく意識の中で、光に解けて消滅していく闇の渦を見た。



あの魔法は、最初の12人でやった魔法がない限り、発動できない特別な魔法。



みんななしでは実現することが出来ない魔法。



私は、完全に消えていった穴を見終えると、ゆっくりとまぶたを閉じた。



「………よかっ、た」