~愛斗side~
それは、完璧に無意識だった。
弥生の後ろから魔物の放った火の玉が飛んでくるのが見えた。
次の瞬間俺は叫んで、そのあとは無意識に体を動かしていた。
大きな音とともにそれはやってきた。
激しい痛みと共に、全身の力が抜けていった。
幸い、下にいる魔物と戦っていたため、倒れても大きな怪我にはならなかった。
目の前では、弥生が泣きじゃくっている。
初めて見る弥生のこんな姿。
「愛斗!!死んじゃダメだよ?!絶対に、死なせないからね!」
そう言って弥生は急いで治癒魔法の準備をした。
だけど、それは止めなくては…
弥生には最後の大事な魔法まで倒れさせてはいけないのだ。
もちろん俺も本当はまだこんなところでへたばっていたらダメなんだけど…
「…やよ、ぃ……聞け…」
「やだ!愛斗治してからなら聞く!!」
弥生は涙で顔をぐちゃぐちゃにしながらそういった。
俺のために弥生がそんなことをする必要はない…
俺は自分でなんとかしなくては行けないのだ。
「いい、から…。桜…弥生を、止めて、くれ。」
『………』
「さ、くら?」
