────シュッ



目を開けば見慣れた風景の中に私は立っていた。



王宮に着いた…!



急がないと…!!



逸る気持ちを抑え、私は知っている魔力の気配を探りながら濃い方へ全力で向かった。



時に出くわした魔物をその場にいた食い止めている人たちと倒したりもした。



出てくる魔物はみんな厄介なものばかりで、走りながらだったから目的地へ着いた頃にはだいぶ息が乱れていた。



────バンッ



勢いよく目の前の扉を開けた。



「お父様…!!」



目の前にはお父様のみがいた。



他のみんなは?



ここに来るまでに色々な人達と出会ったけど、私のよく知った人達はいなかった。



だからここにいるのかと思ったんだけれども……



「弥生、来たようだな。」



「他のみんなは?!お母様に、楼星、愁雨、彩雨さん!どこなの?」



私は急かすようにお父様に言った。



「落ち着きなさい、弥生。みんなは王都で頑張ってもらってる。私は、ここでたくさんの穴をなるべくおさえること、全体を把握することになったんだ。」



お父様は遠隔魔法が得意だ。