気持ちのいい晴れの日の今日。



これ、夢で見た…。



夢ではお昼休憩の時にはもう起きていたのよね…。



少し、外覗いてみよう…。



私は、寝起きでぼんやりとしている桜を連れて、寮の外へと出た。




その時



────ガタン



今、揺れた…?



と同時に近くにブラックホールのような穴が次々と空いていく。



もう…?!



夢ではわからなかった大災厄の始まり。



こんなにも朝から始まっていたのね…。



私は必死に足を動かした。




空には分厚い雲が浮かびだした。



「フライ」



羽が生え、空へと浮かんだ私の体。




「桜!」



『えぇ……あそこね。』



いつの間にか人間の姿になった桜が指を指した方を見れば他と比べようがないほどどても大きな闇の力を発する穴が見えた。



そこから莫大な量の闇の力を感じる。



学園の周りには結界が張られ、なんともないものの、結界の外は悲惨な状況だった。



思った以上の酷さだ。



なんのために私はいるの…?




貴族や、王族はかろうじて自分たちの力で抑え始めている。



でも、平民たちは、荒れ狂う魔物達から逃げているばかりだった。



広がるのが早い…!



闇の穴もどんどんと色々なところにできていく…



寮にいた生徒たちは、外を見て気づいたのだろう。



ごめん…みんな。



ごめん…



私のせいで……




私は一筋の涙をながし、淡い光を放つネックレスをぎゅっと握りしめると、結界の外へと飛び出した。