奇跡を起こした12の月光




不思議だな…



愛斗、なにか魔法でも使ったのかしら…



握られている手から安心感がすごく伝わってくる。



「弥生、もういいぞ。話したいこと、話してみなさい。」



お父様の声で再び緊張するのかと思ったが、愛斗のおかげがそんなことも無く、話始められた。




「うん、お父様、お母様、楼星、愁雨、彩雨さん、あのね。明日、あの大災厄がやってくる。うちの学園はもう対策はねったから大丈夫よ。Sクラスのみんなも。でね……えっと…」




「そうか、ついに来たんだな。その日が。弥生、最後まで言わなくていいよ。こっちこそ、もう対策済みだ。桜が伝えに来てくれたよ。」



桜が…?



ほんと、隙がないわ。私のこは。



「そっか、桜が。ありがとう。みんなに、ひとつ言って起きたいことがあるの。今日も、本命はこっちで電話したの。今回の大災厄で全て終わらせる。未来に今後一切こんなことが起こらないように。私は、最後まで諦めないわ。この命に変えてでもやり遂げるわ。」




私がそう言い切ると、一瞬の静寂が訪れた。



「弥生ならそう言うと思っていたわ。昔から変わらないわね…」



お母様…