不思議だな…
愛斗、なにか魔法でも使ったのかしら…
握られている手から安心感がすごく伝わってくる。
「弥生、もういいぞ。話したいこと、話してみなさい。」
お父様の声で再び緊張するのかと思ったが、愛斗のおかげがそんなことも無く、話始められた。
「うん、お父様、お母様、楼星、愁雨、彩雨さん、あのね。明日、あの大災厄がやってくる。うちの学園はもう対策はねったから大丈夫よ。Sクラスのみんなも。でね……えっと…」
「そうか、ついに来たんだな。その日が。弥生、最後まで言わなくていいよ。こっちこそ、もう対策済みだ。桜が伝えに来てくれたよ。」
桜が…?
ほんと、隙がないわ。私のこは。
「そっか、桜が。ありがとう。みんなに、ひとつ言って起きたいことがあるの。今日も、本命はこっちで電話したの。今回の大災厄で全て終わらせる。未来に今後一切こんなことが起こらないように。私は、最後まで諦めないわ。この命に変えてでもやり遂げるわ。」
私がそう言い切ると、一瞬の静寂が訪れた。
「弥生ならそう言うと思っていたわ。昔から変わらないわね…」
お母様…
