『うん、前より空気も良くなったじゃない。弥生、今日から、ですってよ。』
桜が“今日から”という部分を少し強調して言ってきた。
桜の言いたいことは一瞬でわかった。
「…えぇ、そうね。」
私はそれだけを返事して黙った。
今日から、か。
私は明日が終わったらここにいるのか…
いや、いないだろうな…
私は私の身をもってこの世から魔物を無くすんだ。
「弥生…?どうかした?なんか暗い顔してるけど…」
長月ちゃんにそう指摘された。
っ……。
「……なんでもないわ。」
「そう?ならいいんだけど…。それより、そろそろ寮に戻りましょう?明日に響くわ。」
長月ちゃんの言葉で解散となった。
私の頭の中ではいろいろなことがぐるぐると回っていた。
今まで見てきた夢が現実になる不安。
私の運命…いや、明日のためにこの世に生まれた私の使命…なんとしてもやり遂げなくてはいけないという責任
そして、明日が私の最期の日という現実…
でも、これは私が決めたこと。
私だってこれからも生きたい…
叶わないことを望んでも意味が無いことは十分分かってる。
だから、この感情はもうおさらばだ。