「それでこそ、長月だね。」
新さんが長月ちゃんの頭を撫でる。
長月ちゃんは、顔がほんのりと赤くなっている。
いいな…あの二人。
ああいう関係憧れる。
でも、私にはきっと一生体験できない。
明日できっと…いや、絶対に命の期限を迎える。
人前ではなんともない顔をして、その運命を受け入れている雰囲気を醸し出しているけど、実際は全然大丈夫じゃない。
私だって怖い。
私はそんな気持ちを振り払うように頭を振って頬を1回パチンと叩いた。
「みんな準備はいい?」
私がそう言うと、床に大きな魔法陣が現れた。
「明日のために特訓しようと心から思っているものだけここに入って。ここまで来てあれだけど、無理なら入らなくてもいい…」
……?!
「「「そんなの入るに決まってる!」」」
私が最後まで言い終わらないうちにみんなが魔法陣の中へ入っていた。
「ありがとう…テレポート」
私は少し感動しながらも競技場へとテレポートした。
氷谷先生と理事長は、魔法陣の外からしっかりと送り出してくれていた。